仮想通貨の正式名称については、近年さまざまな変遷がありました。ここでは、法律や国際的な動向、業界での使用状況を踏まえて、正式名称の現状を詳しく見ていきます。
仮想通貨の正式名称が「暗号資産」に変更された背景には、主に以下の理由があります:
2018年12月、金融庁は「仮想通貨」の呼称を「暗号資産」に変更すると発表しました。これは、G20サミットで「Crypto Asset(暗号資産)」という呼称が使用されたことを受けてのものです。
2019年の改正資金決済法では、正式に「暗号資産」という呼称が採用されました。これにより、法律上の正式名称は「暗号資産」となりました。
「暗号通貨」と「暗号資産」は、実質的には同じものを指しますが、使用される文脈や強調したい側面によって使い分けられることがあります。
実際の使用例:
国際的には、「Crypto Asset(暗号資産)」という呼称が主流となっています。これは、G20やFATF(金融活動作業部会)などの国際機関での使用が影響しています。
主な国際機関での呼称:
G20の公式文書で「Crypto Asset」の使用が確認できます
ただし、国や地域によって呼称が異なる場合もあります。例えば、アメリカではまだ「Cryptocurrency(暗号通貨)」という呼称が広く使われています。
日本の主要な仮想通貨取引所では、法律に合わせて「暗号資産」という呼称を採用しているところが多くなっています。しかし、「仮想通貨」や「暗号通貨」という呼称も依然として使用されています。
主要取引所の呼称例:
取引所によっては、ユーザーの認知度を考慮して「暗号資産(仮想通貨)」のように併記しているケースもあります。
仮想通貨の正式名称については、今後も変化する可能性があります。技術の進化や法規制の変更に伴い、より適切な呼称が模索される可能性があるからです。
今後の課題:
特に注目すべき点として、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の登場により、「デジタル通貨」という呼称との区別が必要になる可能性があります。
また、NFT(非代替性トークン)のような新しい暗号資産の形態も登場しており、これらを包括的に表現できる呼称が求められる可能性もあります。
結論として、現時点では法律上の正式名称は「暗号資産」ですが、国際的な動向や技術の進化を踏まえ、今後も適切な呼称について議論が続くことが予想されます。仮想通貨に関心のある方は、これらの動向に注目しつつ、正確な情報を得るよう心がけることが大切です。